かゆみは、「引っかきたい」という衝動を起こす不快な感覚

かゆみは弱い痛みではない!「似て非なるもの」=子どものころ、蚊にさされたときに、爪で「バッテン」の印をつけた経験はないでしょうか。これは、かゆみを感じにくくしようとする無意識の行動なのですが、新たに強い刺激を与えることで、かゆみを痛みにすり替えるという、理にかたった行動なのです。
また、かゆい部分に熱いシャワーをあてると気持ちいいと感じるのも、皮膚に熱い(痛い)という強い刺激を与えることで、かゆみを抑制することにつながります。かゆみというのは、痛みを与えることで一時的に忘れられる感覚といえます。しかし、悪化するケースが多いので、注意が必要です。
実は、これまで「かゆみというのは、弱い痛みである」ととらえられ、痛みを伝える神経経路に流れる信号が弱いときにはかゆみ、強いときには痛みとして感じるというのが通説でした。ところが、近年の研究により、かゆみを伝える神経線維があることがわかり、痛みとは違った皮膚感覚であることが解明されたのです。
具体的には、かゆみは全身の皮膚、まぶたの表裏と白目、鼻の粘膜にしか発生せず、内臓には痛みは起こってもかゆみは起こりません。かゆみと痛みは、似て非なるものなのですが、まったく無関係かというとそうでもなく、かゆみと痛みとは相互に密接にかかわっています。かゆみという感覚は、まだまだ解明されていないことが多い分野です。
かゆみを痛みにすり替える皮膚が、心臓、肝臓、腎臓、胃腸、肺などの臓器と大きく異なるのは、病変が自分自身の目で見てわかるところです。
古くより皮膚は内臓の鏡、といわれ、皮膚症状が内臓疾患の異常を知らせるサインになる場合があります。皮膚表面にはじめてあらわれる病変を「発参(皮参)」と呼び、色調が変化する「斑」、隆起がある「丘参」、水分を含む「水病」、臓を含む「臓病」など多彩な形状を示します。皮膚表面の病変が違うというのは、皮膚の下で起きていることも違います。たとえば、糖尿病の場合、約3割の患者さんが、なんらかの皮膚疾患を抱えているといわれます。高血糖の状態が続くと赤ら顔や強いかゆみを伴ったり、免疫機能が低下すると水虫などの感染症を発症しやすくなったりします。悪化すれば、感覚神経にも異常があらわれ、足の靴ずれや小さな傷から細菌感染しても気づかず、皮下組織まで腐って壊痕になることがあります。日ごろから皮膚症状をチェックすることが大切です。

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